イタリア対フランス 2006年ドイツW杯決勝戦によせて
ようやく整理できました。
まず戦う前からアズーリ寄りの私は、
イタリアがもし負けるとすれば延長後のPKだろうな。
PKで負けるならばいつもの運のせいにできる。
そりゃあPK負けは悔しいけれどイタリアだから(苦笑)
ありえるし過去の呪縛のせいにでもできる。
それぐらいしかイタリアには穴がない。
ところがこのPKの呪縛に見事打ち勝った。
私はイタリアの優勝は個人のものでもなく、
自らのトラウマに勝った記念すべき試合なのだと思いました。
バッジォやアルベルティーニが外したPKを
私はビデオ映像としてしか知らない。
しかしこういった歴史的なトラウマは、
たとえその時代に現存する選手がそこにいなくても、
かなりなものだと思うんです。
振り返ってみれば前半いきなりのPKは、
映像の確認をするもどうもフランス寄り。
この試合の主審は緊張していたのか前半はフランス寄り、
後半はイタリア寄りと偏った判定だったし、
特に醜かったのがパス回しで動いてる最中に頻繁に笛を吹く。
これでは試合がつまらないじゃあないですか。
中立を保とうと緊張するのはわかるけれど、
アルゼンチンの主審=イタリア寄りとなってはいけないから、
フランス寄りにもしなければって・・みえみえ(苦笑)
あげくの果てに問題のジダン暴行のシーンを見ていない、
ブッフォンから問われ他の審判が確認するなんて・・
試合中のPKをジダンが決め、
すぐさまマテラッツイが決め、
ジダンがマテラッツイの胸にヘディング。
結局このふたりが試合後の報道を盛り上げているわけで(爆)
この件に関してはあれはジダンが間違ってる。
だから当事者はガッちゃんではありません(苦笑)
マテラッツイがたとえ何を言ったにせよ、
そこで報復行為をしたジダン。
サッカーでは特に報復行為というのが一番罪なのです。
こういうことがあったから言うのではないけれど、
ジダンはちょっと勘違いをしていたのではないでしょうか。
自らの引退試合にケチをつけたというよりも、
このW杯そのものが自分の引退試合のためみたいな・・
今回で引退する選手は他にもたくさんいるのです。
トッテイは私はあまり好きではありませんでしたが、
この大会でいい奴だと思いました。
うっかりリッピ監督がトッテイの引退を口にしてしまい、
トッテイはそういうことを開催中に公表しないでほしいと怒ったと。
いやコレが当たり前じゃないのでしょうか。
ジダンがチームのモチペーションを高めるために、
引退を公表したとしてもそれならば、
もしジダンが引退をつつましく黙っていたらどうなっていたか。
そんなチームなんでしょうか・・
ブラジルはロベカルにカフー。
ポルトガルはフィーゴ、チェコはネドヴェド・・
まだまだたくさんいるじゃないですか。
ジダンは確かに偉大で引退を公表しチームに勢いを与えたかもしれない。
けれどそれならば自分=フランスという誇りを、
あんな形で終わらせることは自分の大会だからとも言われても仕方ない。
テュラムも代表引退らしいのに・・
イタリア側の立場から見ててもフランスのがんばりは評価していたから、
こういった個人のわがままな行動はやるせないです。
テュラム、リベリー、アンリ・・かわいそうなのはその他の選手。
そしてこの件でマテラッツイが挑発したから彼が悪い、
それは違うと思います。
マテラッツイは確かにこういう選手です。
しかしそれならばジダンだってこういう選手じゃないでしょうか。
(こういう=まあ切れやすいと)
双方とも汚点はあるのです(苦笑)
それがどの試合に出るかが大変な問題。
確かにマテラッツイはジダンを挑発したかもしれないけれど、
サッカーで一番罪なことは報復手段なのです。
特にサッカーのような精神が左右するスポーツは、
ピッチではどんな罵声にも耐えられなければなりません。
ここらは過去の誰かを除いて(苦笑)
ブラジルのようなラテン的なチームが気にしない体質で、
報復はゴールでといういいお手本があるじゃないですか。
あと10分が我慢ができなかったのが不思議。
このプレーと審判の偏った判定でつまらない試合になったのですが、
試合内容が緊迫していただけに残念。
目を引いたのはイタリアの守りなんですが、
フランスも確かに守りはひけを取らないくらい完璧でしたが、
あのカンナバーロのすごい守備には感動して涙ぐんだほどです。
昔カンナバーロのファンの子がいてて、
私は彼のよさが理解できなかった。
クレスポを濃くした感じだ(パルマ時代)
カンちゃん大活躍ったって攻められてるってことじゃない、
やっぱファンタジスタでしょう!とデルピエロばっか見てた。
しかし・・特に今大会のカンナバーロはすごすぎる。
ようやく私もカンナバーロのよさが理解できた(苦笑)
守備が目立つのはつまらないと思ってた昔、
今はこのくらいのエキサイトな守備なら面白いと。
アルゼンチンの目の回るパスくらい感心しました。
もちろんザンブもガッちゃんもピルロもグロッソも・・
イタリアはチーム全体の忍耐で優勝を勝ち取ったということ。
国の名誉のためにというモチペーションは、
初出場のアフリカのチームのようにわかりやすい。
優勝しかないという背水の陣の強さが、
ジダンの引退だからと団結した、
すでに優勝も98年に味わったフランスとは違う。
フランスもいい選手がたくさんいるから逆に、
ああいうプレーで終わったあとの彼らがかわいそう・・
テュラム(カンナバーロに匹敵!)
アンリ(ひとりでイタリアを苦しめた身体能力はさすが)
リベリー(ひたむきに走り続けた22番)
特に印象に残った選手たちです。
トレゼゲが唯一PKを外したことは監督の責任。
もし監督がPK選手を選んでいたのならば、
ユーベの同僚のトレゼゲは使わないのがお約束。
しかしトレゼゲって・・日本代表の坪井に似ている・・
彼が出てきた時点で勝ったと思いましたから、
トレゼゲに全く罪はない。
PKの話へと戻りますが、
もしフランスのPKの1点がなければどうなっていたでしょうか。
1-0でイタリアがまともに勝っていたなら、
こんなややこしい後味の悪いこともなかった。
ただしあの先取点からのイタリアのカウンターに移り、
総攻撃をかけてきた勢いも先取点を取られたからと、
たらればは関係ないかもと思うのです。
結局イタリアはPKで負け続けた歴史にピリオドを打った。
自己に勝ったということなんですよね。
試合中のPKで取られれば速攻ヘッドで同点にし、
延長PKではなくすものはないと落ち着いて蹴り勝ったのです。
大会開催前に出場国の中でどこが優勝すれば経済効果があるか、
そういう記事でイタリアが優勝すれば世界が潤うとありました。
もしそれが事実なら日本の経済も潤ってほしいですね(苦笑)
大会のMVPはジダンに決定ということですが、
これは決勝前に決まっていたということで・・
ここらもFIFAの対応って何なんだろうかと悩みますね。
役員が多すぎるのなら半数は決めておいて残りを決勝後とかにすればいいのに・・